オトナのためのマンガ塾 Vol.6
2015-11-07

マンガを読み続けてごじゅううんねん!
タケカワユキヒデが塾長となって、
FM COCOLOリスナーにもきっと楽しんでもらえる
おすすめのマンガを紹介するコーナー
「オトナのためのマンガ塾」
第6回のピックアップしたのは、漫画家「手塚治虫」さん。
本当だったら最初にやるべきなんですけど、
手塚さんから始めたら普通でしょう笑
まずは僕の漫画に対する見方や考えをみなさんに知ってもらった上で、
手塚治虫さんの話しをきいてもらいたいなと思って、とっておきました。
手塚さんは、あらゆる分野のものをかいてきましたよね。
漫画にできそうにないテーマも。性教育とか。
特に有名なのは、「鉄腕アトム」とか「マグマ大使」のような娯楽ものだけど、
オトナの1読者として、手塚治虫さんの作品に触れると、
所謂代表作以外にも面白いものは山ほどあります。
例えば、「シュマリ」。
"シュマリ"ってのはアイヌ語なんだけど、江戸時代のアイヌと日本の交わりの話し。
このシュマリは、元々本土の武士だった人。
それが北海道にわたって、アイヌの名前をもらって、
その中で暮らして行くというストーリー。
もう大文学作品ですよ、これは!!
この漫画でアイヌを知ったり、アイヌに興味を持った人はたくさんいると思います。
世の中的には、こういうものを大切にしよう!
となる前なんですよ、手塚さんが作品にしているのが。
これもまたすごい。
それから、「アドルフに告ぐ」。
もちろん「火の鳥」。
「火の鳥」なんて地球の成り立ちから宇宙の成り立ちから、
歴史はずっとどこまででも遡れて、
未来へもどこまでも行けるんだぞっていうのを
教えてくれた作品ですよね。
また歴史だけじゃないんだよね。
細胞の中に入ってきて、その細胞の中にまた宇宙があって。
この突き詰め方がすごすぎる。
行きていて考え得ることを、とにかく作品に詰め込んでいる。
「火の鳥」は是非読んでもらいたい。
そして最近「少年チャンピオン」で手塚治虫さんを主人公にした漫画が
たまに掲載されているんですけど、
その中にあったエピソードで、
例えば手塚さんは連載をオファーされると、
ストーリーを最低でも3つ考えたそうです。
3つですよ、しかも絵コンテまで。
で、『どれがいい?』って言うんですって。すごくないですか?
僕らも曲作りで、1曲頼まれても2曲つくることはあるけど、
さすがに3つはつくらない。3つってのはすごい。
あれだけたくさんの作品を残している方が、
新しい作品をって時に常に最低3つ出すって、普通じゃないですよ。
クリエイターの鏡です。



